BtoB ECの決済方法、増やすべき?導入前に考えたいポイントとは
はじめに
BtoB ECサイトを運営していると、決済に関する様々な要望や課題に直面することがあるかと思います。
「請求書払いに対応してほしいと取引先から要望を受けた」
「現在は銀行振込のみだが、決済手段を増やすべきか悩んでいる」
「クレジットカード決済を導入したものの、思ったほど利用されない」
こういった悩みを抱える企業は少なくありません。
BtoC向けECサイトであれば、クレジットカードや各種キャッシュレス決済を導入しておけば問題なく運用できるケースがほとんどです。
しかし、BtoB ECサイトでは事情が異なります。
企業間取引には、請求書払いをはじめとした独自の商習慣が存在します。また、取引先ごとに契約条件や支払い条件が異なるため、単純に「決済方法を増やせば解決する」というものでもありません。
そのため、BtoB ECサイトでは「どの決済手段を導入するか」だけでなく、「自社の運用や取引先の状況も考慮して検討すること」が重要です。
今回は、BtoB ECにおける代表的な決済手段を整理しながら、決済方法を増やす際に考慮したいポイントについて解説します。
1.BtoB ECサイトと決済
ECサイトを構築・運営するうえで、決済は欠かせない要素の一つです。
ただし、BtoB ECサイトにおける決済は、一般的な消費者向けECサイト(BtoC ECサイト)とは異なります。
BtoC ECサイトでは、クレジットカード決済や各種キャッシュレス決済など、その場で支払いが完了する決済方法が主流です。
そのため、EC事業者側はユーザーの利便性を意識し、「どの決済サービスを導入するか」を中心に検討するケースが多くなります。
一方で、BtoB取引では企業間取引ならではの商習慣や業務フローが存在します。また、取引先によって支払い条件や契約条件が異なるケースも少なくありません。
そのため、BtoC ECサイトのように、「この決済方法を導入すれば解決する」と単純に考えることは難しく、取引先の事情や自社の運用も考慮しながら検討する必要があります。
BtoB ECサイトで利用される決済手段について、業種や取引先の商習慣によって採用される方法は異なりますが、多くの企業では「掛け払い(請求書払い)」「銀行振込」「クレジットカード決済」のいずれか、もしくは複数を組み合わせて運用しています。
| 掛け払い (請求書払い) | 商品やサービスの提供後に請求書を発行し、後日まとめて支払いを行う方式。企業間取引では一般的な支払方法の一つであり、「月末締め翌月末払い」などの条件で運用されるケースも少なくありません。 発注側にとって利便性が高い反面、販売側には請求業務や代金回収に関する負担が発生します。 |
| 銀行振込 | 取引先が指定口座へ代金を振り込むシンプルな仕組みで、BtoB取引で古くから利用されている決済方法。入金確認や消込作業が必要になるため、取引件数が増えると運用負荷が課題となる場合があります。 |
| クレジットカード決済 | 利用者がその場で決済を完了できる、ECサイトとの相性がいい決済方法。販売側にとっても代金回収の確実性を高めやすく、近年BtoB ECサイトでも導入する企業が増えています。 |
このように、BtoB ECサイトの決済手段の候補は複数存在します。
しかし、「選択肢が多いのであれば、とりあえず増やせばよい」というわけではないのです。
決済方法を増やせば、課題は解決するのか
ここまで、BtoB ECで利用される代表的な決済手段を紹介してきました。
その中で、「銀行振込だけでは不便そうだ」 「請求書払いに対応した方が良いのではないか」 「クレジットカード決済も追加した方が便利なのではないか」と感じた方もいるかもしれません。
しかし、決済方法は多ければ多いほど良いというものでもありません。
例えば、新たな決済手段を導入すると、
- 請求や入金管理の方法が増える
- 社内の運用ルールを見直す必要がある
- 管理業務や運用負荷が増える場合がある
といった運用面での検討事項も発生します。
また、新たな決済手段を導入すると、請求業務や入金管理、社内ルールの見直しなど、運用面での検討事項も増えます。そのため、単に決済方法の数を増やすことが目的になってしまうと、かえって運用が複雑になる可能性があります。
重要なのは「どの決済手段が優れているか」ではなく、自社の取引や顧客にとって本当に必要な決済手段かどうかを見極めることです。
2.自社と顧客の双方にとって適切な決済方法とは
前章では、決済方法を増やせば必ずしも課題が解決するわけではないことを紹介しました。
では、どのように決済方法を選べばよいのでしょうか。その際に重要になるのが、「どの決済手段を導入するか」ではなく、「どのような取引にどの決済手段を適用するか」という視点です。
顧客によって求める決済条件は異なる
BtoB取引では、すべての顧客が同じ条件で取引できるとは限りません。
請求書払いを前提とした運用になっている企業やクレジットカード決済を利用する企業など、取引先によって事情はさまざまです。
また、販売側にとっても、
- 未回収リスクをどこまで許容するか
- 与信管理をどのように行うか
- 経理業務をどのように運用するか
といった観点を考慮する必要があります
こうした状況の中で、すべての顧客に同じ決済条件を適用しようとすると、さまざまな課題が発生します。
つまり、どの決済方法にもメリットとデメリットがあり、単純に「この方法を採用すれば正解」というものではありません。
BtoB ECにおいて重要なのは、決済方法そのものではなく、自社の運用と顧客のニーズを踏まえて検討することです。どの決済方法にもメリットとデメリットがあるため、自社の取引形態や運用体制に合った方法を選択することが重要です。
3.決済方法を増やす前に確認したいこと
決済方法を追加する際は、まず「本当にその決済方法が必要なのか」を整理することが大切です。
例えば、顧客から要望を受けた場合でも、それが一部の取引先からの要望なのか、多くの顧客に共通する課題なのかによって対応の優先度は変わります。
また、新たな決済方法を導入すると、請求業務や入金管理などの運用も変化します。導入できるかどうかだけでなく、継続して運用できるかという視点も欠かせません。
さらに、現在利用しているECシステムや基幹システムとの連携状況によっては、追加開発や運用変更が必要になる場合もあります。
決済方法を増やすこと自体を目的にするのではなく、顧客の利便性と自社の運用負荷のバランスを踏まえて検討することが重要です。
4.システム面で確認しておきたいポイント
決済方法の追加を検討する際は、システム面で実現可能かどうかも確認が必要です。
ECシステムによっては、対応できる決済サービスが限られていたり、追加開発が必要になったりする場合があります。また、決済方法を増やすことで、受注管理や請求業務、基幹システムとの連携に影響が出るケースもあります。
そのため、決済方法の追加を検討する際は、
- 利用中のECシステムで対応可能か
- 利用したい決済サービスと連携できるか
- 既存業務への影響はないか
などを事前に確認することが重要です。
まとめ
BtoB ECの決済を考える際、「どの決済方法を導入するか」に注目しがちです。
しかし実際には、銀行振込・掛け払い・クレジットカード決済のいずれにもメリットとデメリットがあり、すべての企業に当てはまる正解はありません。
重要なのは、取引先の商習慣や自社の運用体制を踏まえ、自社に合った決済の仕組みを検討することです。
決済方法を増やすこと自体が目的ではなく、顧客の利便性と運用負荷のバランスを取りながら、継続的に運用できる形を考えることが大切です。
また、決済方法の追加や変更を検討する際は、運用面だけでなく、現在利用しているECシステムや基幹システムとの連携可否についても確認する必要があります。
日本システム開発では、ECサイトの構築・改修だけでなく、決済方法の追加やシステム連携に関するご相談にも対応しています。
「決済方法を増やしたいが何から検討すべきかわからない」「現在の運用を見直したい」といったお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。